2010年 03月 12日
厚沢部川のクロカワゲラ科 −1.1− |
4日に厚沢部川沿いで採集したクロカワゲラ属 Capnia について、専門家の方にお伺いさせて頂いたところ、早々にお返事を頂くことが出来た。
まず採集した種であるが、第8節背板の瘤状隆起や長翅であることなどからみて、東北地方に広く分布するというヤスマツクロカワゲラ Capnia yasumatsui ではないかということであった。
また前回の記事で、タカハシクロカワゲラ Capnia takahashii の肛上板の形状と似ていると書いたが、この種群(ヤマトクロカワゲラ種群)の中での種の区別は非常に微妙なものであるということなので、肛上板の形状だけで判断するのは難しいようだ。
ちなみに似ていると思ったタカハシクロカワゲラについてもお書き下さっており、それによるとタカハシクロカワゲラは無雪地域に生息し、12月頃に羽化するのだという。しかし年明けにはヤマトクロカワゲラと入れ替わってしまうという、ちょっと変わった種であるということであった。
さらには採集方法もご教示頂いたのだが、その方法というのが、川伝いの大木の幹や日向の電信柱などを眺めたり、クワガタ採集のように木(小径木)を蹴ったりするというもの(どうやら落ちてくるらしい)。
なんでも、早春に近付いた頃のクロカワゲラ類というのは、雪上を歩行する期間・時間帯が非常に短いのだそうだ。
そのため、採集しようとする場合には、そのような場所を探すのが効率的であるということであった。
クロカワゲラ類は雪の上で探すものとばかり思っていたが、さすが専門に研究されている方は違うなぁと、いたく感心した次第。
そこで、9日の帰り道に、今まで探索対象としていなかった人工物で探してみた。
まず、前回採集した厚沢部川の土手沿いで探索を行ってみたが、こちらでは見つけられず。
次に、期待と不安が入り混じった思いを抱きながら、俄虫橋の外灯の支柱や欄干などを見てみると・・・おぉ! 何と次々と見つかるではないか!!
こういう場所を探すという考えは今まで無かったので、目から鱗が落ちる思いだった。 俄虫橋 (2010年3月11日撮影) 俄虫橋遠景(2010年3月9日撮影)
どちらも下流右岸から撮影
そういえば、教育林の畑内川沿いでは去年の今ごろ、雪上を歩いていた有翅のクロカワゲラ属を1♂(おそらく未記載種であろうとのこと)採集したが、その後追加が得られていない。
今度は川沿いに生育しているヤナギ類などを探してみて、何とか追加個体を得たいものだ。
最後になったが、種々ご教示下さり、掲載についてご快諾下さった専門家の方に、厚くお礼申し上げます。
まず採集した種であるが、第8節背板の瘤状隆起や長翅であることなどからみて、東北地方に広く分布するというヤスマツクロカワゲラ Capnia yasumatsui ではないかということであった。
また前回の記事で、タカハシクロカワゲラ Capnia takahashii の肛上板の形状と似ていると書いたが、この種群(ヤマトクロカワゲラ種群)の中での種の区別は非常に微妙なものであるということなので、肛上板の形状だけで判断するのは難しいようだ。
ちなみに似ていると思ったタカハシクロカワゲラについてもお書き下さっており、それによるとタカハシクロカワゲラは無雪地域に生息し、12月頃に羽化するのだという。しかし年明けにはヤマトクロカワゲラと入れ替わってしまうという、ちょっと変わった種であるということであった。
さらには採集方法もご教示頂いたのだが、その方法というのが、川伝いの大木の幹や日向の電信柱などを眺めたり、クワガタ採集のように木(小径木)を蹴ったりするというもの(どうやら落ちてくるらしい)。
なんでも、早春に近付いた頃のクロカワゲラ類というのは、雪上を歩行する期間・時間帯が非常に短いのだそうだ。
そのため、採集しようとする場合には、そのような場所を探すのが効率的であるということであった。
クロカワゲラ類は雪の上で探すものとばかり思っていたが、さすが専門に研究されている方は違うなぁと、いたく感心した次第。
そこで、9日の帰り道に、今まで探索対象としていなかった人工物で探してみた。
まず、前回採集した厚沢部川の土手沿いで探索を行ってみたが、こちらでは見つけられず。
次に、期待と不安が入り混じった思いを抱きながら、俄虫橋の外灯の支柱や欄干などを見てみると・・・おぉ! 何と次々と見つかるではないか!!
こういう場所を探すという考えは今まで無かったので、目から鱗が落ちる思いだった。
どちらも下流右岸から撮影
そういえば、教育林の畑内川沿いでは去年の今ごろ、雪上を歩いていた有翅のクロカワゲラ属を1♂(おそらく未記載種であろうとのこと)採集したが、その後追加が得られていない。
今度は川沿いに生育しているヤナギ類などを探してみて、何とか追加個体を得たいものだ。
最後になったが、種々ご教示下さり、掲載についてご快諾下さった専門家の方に、厚くお礼申し上げます。
by tsuchihashia
| 2010-03-12 21:56
| 襀翅目