2008年 09月 22日
ウスイロカギバ |
昨日の午後、オオヨモギハムシを探して畑内川沿いを歩いている最中に立ち寄ったハナアブポイントで、ツタウルシの葉を食べている鱗翅目幼虫を見つけた。
(2008年8月21日撮影)
ツタウルシは人によっては触れるだけでひどくかぶれてしまうこともあるので、森を歩く際には気を付けなければいけない植物の一つ。
そんな葉を食べるなんてけったいな幼虫だな~と思いながらも気になったので、幼虫が齧った場所を触らないよう注意して撮影。
写真ではイマイチ伝わらないが、数頭いた幼虫は全身が濡れたようにややテカテカしていて、おそらく鳥の糞に擬態しているものと思われた。
職場に戻ってから食餌植物を頼りに調べてみると、カギバガ科DrepanidaeのウスイロカギバCallidrepana palleolaの幼虫であることがサクッと判明。
この幼虫はツタウルシのほかはヤマウルシやウルシなどのウルシ科植物を専ら食べるようだ。
同属でギンモンカギバC. patranaという近似種もいたが、その幼虫とは尾状突起が短いことで区別できた。
さて、ここまで調べてきて思い出したのが、以前からツタウルシやツルアジサイなどの葉上で見かける非常に変わった蛹のこと。
何が変わっているのかと言うと、蛹化する場所に×印をつけ、その中心で蛹になるのだ。 ちょっと×印が不完全 (2008年7月24日撮影)
この印、最初は蛹を固定するためのものかと思ったが、蛹を固定しているのは腹部末端を覆っている糸で、×印は特に関係無さそう。
しかし、わざわざこんな目立つことをするからには、何か理由があるに違いない。
一体どんな理由なのだろう・・・。
そしてこの蛹の正体を調べてみると、やはりウスイロカギバの蛹であることが判明した。
近似種のギンモンカギバの蛹も似ているが、識別点である中胸背面の黄白紋が明瞭に現れているのが見て取れるので、ウスイロカギバでいいだろう(ギンモンカギバの場合、黄白紋は不明瞭)。
鱗翅目の幼虫は形態的にかなり面白いものが多いのでよく写真を撮るが、残念なことに種名はなかなか判らない。
しかし今回はすぐに判ったし、不明だった蛹の正体までもが判るというおまけもついた。
こういうことは滅多にあることではないが、判らなくても何でも記録しておけば、いつか何かに繋がるかもしれない。
何でも記録するということの大切さを、再認識した次第であった。
褐色型の幼虫もいる
ツタウルシは人によっては触れるだけでひどくかぶれてしまうこともあるので、森を歩く際には気を付けなければいけない植物の一つ。
そんな葉を食べるなんてけったいな幼虫だな~と思いながらも気になったので、幼虫が齧った場所を触らないよう注意して撮影。
写真ではイマイチ伝わらないが、数頭いた幼虫は全身が濡れたようにややテカテカしていて、おそらく鳥の糞に擬態しているものと思われた。
職場に戻ってから食餌植物を頼りに調べてみると、カギバガ科DrepanidaeのウスイロカギバCallidrepana palleolaの幼虫であることがサクッと判明。
この幼虫はツタウルシのほかはヤマウルシやウルシなどのウルシ科植物を専ら食べるようだ。
同属でギンモンカギバC. patranaという近似種もいたが、その幼虫とは尾状突起が短いことで区別できた。
さて、ここまで調べてきて思い出したのが、以前からツタウルシやツルアジサイなどの葉上で見かける非常に変わった蛹のこと。
何が変わっているのかと言うと、蛹化する場所に×印をつけ、その中心で蛹になるのだ。
この印、最初は蛹を固定するためのものかと思ったが、蛹を固定しているのは腹部末端を覆っている糸で、×印は特に関係無さそう。
しかし、わざわざこんな目立つことをするからには、何か理由があるに違いない。
一体どんな理由なのだろう・・・。
そしてこの蛹の正体を調べてみると、やはりウスイロカギバの蛹であることが判明した。
近似種のギンモンカギバの蛹も似ているが、識別点である中胸背面の黄白紋が明瞭に現れているのが見て取れるので、ウスイロカギバでいいだろう(ギンモンカギバの場合、黄白紋は不明瞭)。
鱗翅目の幼虫は形態的にかなり面白いものが多いのでよく写真を撮るが、残念なことに種名はなかなか判らない。
しかし今回はすぐに判ったし、不明だった蛹の正体までもが判るというおまけもついた。
こういうことは滅多にあることではないが、判らなくても何でも記録しておけば、いつか何かに繋がるかもしれない。
何でも記録するということの大切さを、再認識した次第であった。
by tsuchihashia
| 2008-09-22 21:43
| 鱗翅目