2008年 10月 30日
蛾の幼虫2種 |
フラッと出かけた太鼓山の林道脇で、2種の蛾の幼虫を見つけた。
1種類目の幼虫は、イラクサ科 Urticaceae のアカソ Boehmeria silvestrii にいたヤガ科 Noctuidae シタバガ亜科 Catocalinae に属するフクラスズメ。 フクラスズメ(幼虫) Arcta coerula
こんな時期に幼虫? と思って調べてみると、本種は年2回の発生で、幼虫は6~7月および8~10月に出現するという。
そして、この時期に見られる幼虫は蛹で越冬するのかと思いきや、なんとこれから蛹化・羽化し、成虫で越冬するらしい。
蛹で越冬したほうが楽そうなのに・・・と思うが、どうもそうではないようだ。
そしてもう1種は、バラ科 Rosaceae のクマイチゴ Rubus crataegifolius の葉上にいた黒っぽい幼虫。
初めて見る幼虫だったので種名が判るかどうか不安だったが、調べてみるとあっさりとカギバガ科 Drepanidae トガリバガ亜科 Thyatirinae に属するモントガリバの幼虫であることが判った。 モントガリバ(幼虫) Thyatira batis japonica
面白いと思ったのは、尾脚を持ち上げた姿勢で静止し、あたかもそちらが頭部であるかのように見せていること。
これも、捕食者を騙すためのテクニックの一つだ。
右側が頭部だと思ってしまうが、本当の頭部は左側
本物の頭は下に向けて目立たないようにしている
幼虫はクマイチゴやエビガライチゴなどのキイチゴ類の葉を食べる。
葉間に褐色の薄い繭を作って蛹化し、蛹で越冬するという。
本種は日本では一番普通のトガリバの一つと図鑑に説明されていた。
国内では北海道・本州・四国・九州に分布する。
いよいよ虫も少なくなり、今日はカラ類の混群が幾つか観察された。
木の葉が落ちてきて鳥もだいぶ見やすくなってきたので、そろそろ双眼鏡を持ち歩いて鳥の観察も始めようかな。
今日の生き物(厚沢部町太鼓山)
開花植物
ヒメジョオン・エゾノコンギク・ヒヨドリバナ・ブタナ・ムラサキツメクサ・ハチジョウナ・ミツバ・ヤブタバコ・サワアザミ・ウツボグサ・ノラニンジン
鳥類
ハシブトガラス・ヒヨドリ・カワラヒワ・シジュウカラ・キバシリ・ヒガラ・ウソ・ミヤマカケス・ヤマガラ・キジバト・コゲラ・ゴジュウカラ・エゾライチョウ・アカゲラ・トビ・クマゲラ・ハシブトガラ・ミソサザイ・オオアカゲラ
その他
フクラスズメ・モントガリバ(鱗翅目)、ヨモギハムシ(鞘翅目) ヨモギハムシ Chrysolina aurichalcea
オオヨモギハムシはもう見られなくなったが、本種はまだ多少目に付いた
参考文献
一色周知監修,1965.原色日本蛾類幼虫図鑑〔上〕.保育社,大阪.238pp.
一色周知監修,1969.原色日本蛾類幼虫図鑑〔下〕.保育社,大阪.237pp.
江崎悌三・一色周知・六浦晃・井上寛・岡垣弘・緒方正美・黒子浩,1958.原色日本蛾類図鑑(下).保育社,大阪.304pp.
1種類目の幼虫は、イラクサ科 Urticaceae のアカソ Boehmeria silvestrii にいたヤガ科 Noctuidae シタバガ亜科 Catocalinae に属するフクラスズメ。
こんな時期に幼虫? と思って調べてみると、本種は年2回の発生で、幼虫は6~7月および8~10月に出現するという。
そして、この時期に見られる幼虫は蛹で越冬するのかと思いきや、なんとこれから蛹化・羽化し、成虫で越冬するらしい。
蛹で越冬したほうが楽そうなのに・・・と思うが、どうもそうではないようだ。
そしてもう1種は、バラ科 Rosaceae のクマイチゴ Rubus crataegifolius の葉上にいた黒っぽい幼虫。
初めて見る幼虫だったので種名が判るかどうか不安だったが、調べてみるとあっさりとカギバガ科 Drepanidae トガリバガ亜科 Thyatirinae に属するモントガリバの幼虫であることが判った。
面白いと思ったのは、尾脚を持ち上げた姿勢で静止し、あたかもそちらが頭部であるかのように見せていること。
これも、捕食者を騙すためのテクニックの一つだ。
本物の頭は下に向けて目立たないようにしている
幼虫はクマイチゴやエビガライチゴなどのキイチゴ類の葉を食べる。
葉間に褐色の薄い繭を作って蛹化し、蛹で越冬するという。
本種は日本では一番普通のトガリバの一つと図鑑に説明されていた。
国内では北海道・本州・四国・九州に分布する。
いよいよ虫も少なくなり、今日はカラ類の混群が幾つか観察された。
木の葉が落ちてきて鳥もだいぶ見やすくなってきたので、そろそろ双眼鏡を持ち歩いて鳥の観察も始めようかな。
今日の生き物(厚沢部町太鼓山)
開花植物
ヒメジョオン・エゾノコンギク・ヒヨドリバナ・ブタナ・ムラサキツメクサ・ハチジョウナ・ミツバ・ヤブタバコ・サワアザミ・ウツボグサ・ノラニンジン
鳥類
ハシブトガラス・ヒヨドリ・カワラヒワ・シジュウカラ・キバシリ・ヒガラ・ウソ・ミヤマカケス・ヤマガラ・キジバト・コゲラ・ゴジュウカラ・エゾライチョウ・アカゲラ・トビ・クマゲラ・ハシブトガラ・ミソサザイ・オオアカゲラ
その他
フクラスズメ・モントガリバ(鱗翅目)、ヨモギハムシ(鞘翅目)
オオヨモギハムシはもう見られなくなったが、本種はまだ多少目に付いた
参考文献
一色周知監修,1965.原色日本蛾類幼虫図鑑〔上〕.保育社,大阪.238pp.
一色周知監修,1969.原色日本蛾類幼虫図鑑〔下〕.保育社,大阪.237pp.
江崎悌三・一色周知・六浦晃・井上寛・岡垣弘・緒方正美・黒子浩,1958.原色日本蛾類図鑑(下).保育社,大阪.304pp.
by tsuchihashia
| 2008-10-30 22:17
| 鱗翅目