「ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピッ、・・・・・・」
気合を入れて浜歩きをするため、朝5時半にセットした目覚ましだったが、やはり早過ぎた・・・。
起きないことに対する自分への言い訳を寝床でウジウジしながら幾つも考えたが、それでも最終的に未だ見ぬアオイガイのことを思ったら、もう起きるしかなかった。
6時前にアパートを出て、まず目指したのは上ノ国町の内郷。
前回にはあまり歩かなかった場所だったので、気になっていたのだ。
寝起きの体には自転車のペダルが重く、ヒーヒー言いながら7時頃に内郷に到着。
さて、歩きますか!
上ノ国町内郷の浜
浜に下りる途中に目に付いたのは、
以前見つけたのとほとんど同じ絵がついた浮き。
きっと、様々なバリエーションがあるのだろう。
中国製の浮き
浜に下りると、黒く変色し、細かく砕かれた落ち葉が汀線を縁取っていた。
落ち葉に縁取られた汀線
それに沿ってすでに先人の足跡が刻まれていたが、まあ仕方ない。僕もそれに続いた。
先週から強い風が特に無かったからか、漂着物がとても少ない。
そんな中、ギョッと目を見張ったものがこれ。
入れ歯
どうしてこんなものが流れ着くのか、知りたいような知りたくないような・・・。
そして次に見つけたのは、大きなカニの甲羅。
両側に1対の突起があることからガザミ類のものだと思われ、調べたらずばり、「ガザミ」という種の甲羅であることが判った。
ガザミ
Portunus trituberculatus の甲羅
ここで折り返し、今度は江差町椴川町方面の浜へ。
そちらでは、ホヤやらフジツボやらムラサキイガイやらが付着して、この世ならざるものへと変貌した浮きを発見して驚愕した。
打ち上げられた海の怪物のよう・・・
グロ過ぎる・・・
それ以外には、カラーコーンやメノウを見つけたが、総じて今回は特に何も無かった。
白線は無いけど、クラフトワーク!
波打ち際のメノウ(左下の白い石)
さて、お次は江差町の鴎島。
またウニの殻を拾いたくて行ったのだが、状態の良いものがなかなか無かったため、写真だけ撮って引き上げ。
(エゾ?)バフンウニ
そのままいつもの柳崎町へ向かおうと思ったのだが、途中、田沢町の浜へ立ち寄ることにした。
目的は、海に突き出た岸壁にある短いトンネルに行けるかどうかを確認するため。
それは以前、伏木戸町側から歩いていった時に、見つけたものだった。
しかしそちらからでは、途中に海水が引かない場所があったため行くことが出来ず、田沢町側からなら行けそうだと思ったのだ。
この読みは見事に当たり、無事トンネルに到達することが出来た。
トンネルのある場所
幅約2m、高さ約2.5m、長さ約3mの堂々としたもの
乙部町には、慶長年間に掘削され、陸路として利用されたという「くぐり岩」と名付けられた穴があるが、もしかしたらこれもそういったものなのかな?
乙部町の「くぐり岩」 (2010年7月16日撮影)
戻りながら浜をチェックすると、見事なツメタガイが落ちていた。
ツメタガイ
Glossaulax didyma
浜を歩いていると、殻に小さくて丸い穴が開いた二枚貝をよく見かけるが、それはこのツメタガイに食べられてしまった貝。
拾い上げるとずっしりと重く、何と中身が入っていた。
蓋も渦巻くとは知らず、面白かった
おそらく生きているだろうから、ポーンと放り投げて海に返した。
その近くには、褐色短毛が生えたカニの甲羅。
これは調べたら、トゲクリガニというケガニの仲間であることが判った。
トゲクリガニ
Telmessus acutidens
そんなものを見つけながらぶらぶら戻っていたその時、椴川町の浜で見つけた、あの儚く美しい紫色をした貝、ルリガイの殻と再び出合ってしまった。
ルリガイ
Janthina prolongata
今回もまったく頭に無かったので、もうビックリ。
それからぶらぶら歩いていたところも含め再度じっくりと歩き回り、さらにもう1個追加することができ、もう天にも昇る気分だった。
また、いびつなもの、ハングルが記されたもの、緑色のものという初見のガラス玉も周辺で一気に見つけ、一見しょぼそうな浜でも、歩いてみなけりゃ分からないということを実感した。
いびつなガラス玉
このガラス玉にはハングルが記されていた
しかし、近くにこんな場所があると、わざわざ上ノ国とかまで行く気が無くなってしまうなぁ・・・。