2010年 01月 13日
今日の森 |
天気:曇 風:弱 気温:-3.5℃(8時50分頃)
昨日は雪も風も無い穏やかな夜だったからか、森の中は哺乳類の足跡だらけだった。
一番多く目に付いたのはホンドテンのもので、お祭り騒ぎのようにそこらじゅうを駆け回っていた。
もしかして発情期? と思ったが、門崎(1996)にはホンドテンの発情期は8~9月上旬と書かれているので、違ったようだ。 遊歩道を歩いていたホンドテン Martes melampus melampus の足跡
そしてホンドテンに次いで多く見られたのは、ネズミ類の足跡。
足跡だけでは種類は判らないが、足跡が大きく、歩幅が広く、尾跡が長いものと、そのまったく逆のものが見られたので、少なくとも2種のネズミが雪の上を駆け回っていたと思われる(前者はアカネズミの仲間、後者はエゾヤチネズミだろうか?)。
ネズミ類の足跡
ところで、あるネズミ類の足跡の横に、平行してよく似てはいるが別の哺乳類のものと思われる足跡が付いていた。
付き方などを見ると、どうも小型イタチ類のもののようだった。
小型イタチ類といえば、エゾオコジョ Mustera erminea orientalis かキタイイズナ Mustera nivalis nivalis ということになるが、門崎(1996)や小宮(2002)によると、エゾオコジョはかつては北海道では平地でも見られたが、捕獲やニホンイタチ・ミンクなどの移入種の影響で、現在では山岳地とその周辺部に分布は限られるという。
一方のキタイイズナは、移入種の影響は受けず、現在でも平地から高山帯まで広く分布しているということなので、可能性としてはこちらのほうになるだろう。
今時期(冬)は真っ白な毛並みになっているはずなので、ぜひ見てみたいものだ。
ネズミ類の足跡(右)と、キタイイズナ? の足跡(左)
しばらく歩くと、遊歩道のすぐ脇に立つトドマツに、クマゲラの採餌痕を見つけた。 数回突いただけのようなものでも、クマゲラの場合は四角くなるから見分けることが出来る。
教育林で見られるのはほとんどこのようなものだが、アイヌの人たちが木彫りの船を思い付いたというような立派な食痕を、ここでも見られたら良いのだけれど・・・(まったく見られないというわけではないが、見られる場所はとても少ない)
今日の生き物
植物
ミツバウツギ・シオデ・カンボク・ヤチダモ・ハウチワカエデ・アズキナシ(以上種子・果実)
鳥類
ヒヨドリ・ハシブトガラス・ヒガラ・コゲラ・ゴジュウカラ
その他
ホンドテン・キタキツネ・ネズミ類の複数種、イタチ類の一種?(哺乳類・痕跡)、ユキクロカワゲラ属の複数種(襀翅目)、クモガタガガンボの一種(双翅目)
参考文献
門崎充昭,1996.野生動物痕跡学事典.北海道出版企画センター,札幌.303pp.
小宮輝之,2002.フィールドベスト図鑑12 日本の哺乳類.学習研究社,東京.256pp.
昨日は雪も風も無い穏やかな夜だったからか、森の中は哺乳類の足跡だらけだった。
一番多く目に付いたのはホンドテンのもので、お祭り騒ぎのようにそこらじゅうを駆け回っていた。
もしかして発情期? と思ったが、門崎(1996)にはホンドテンの発情期は8~9月上旬と書かれているので、違ったようだ。
そしてホンドテンに次いで多く見られたのは、ネズミ類の足跡。
足跡だけでは種類は判らないが、足跡が大きく、歩幅が広く、尾跡が長いものと、そのまったく逆のものが見られたので、少なくとも2種のネズミが雪の上を駆け回っていたと思われる(前者はアカネズミの仲間、後者はエゾヤチネズミだろうか?)。
ところで、あるネズミ類の足跡の横に、平行してよく似てはいるが別の哺乳類のものと思われる足跡が付いていた。
付き方などを見ると、どうも小型イタチ類のもののようだった。
小型イタチ類といえば、エゾオコジョ Mustera erminea orientalis かキタイイズナ Mustera nivalis nivalis ということになるが、門崎(1996)や小宮(2002)によると、エゾオコジョはかつては北海道では平地でも見られたが、捕獲やニホンイタチ・ミンクなどの移入種の影響で、現在では山岳地とその周辺部に分布は限られるという。
一方のキタイイズナは、移入種の影響は受けず、現在でも平地から高山帯まで広く分布しているということなので、可能性としてはこちらのほうになるだろう。
今時期(冬)は真っ白な毛並みになっているはずなので、ぜひ見てみたいものだ。
しばらく歩くと、遊歩道のすぐ脇に立つトドマツに、クマゲラの採餌痕を見つけた。
教育林で見られるのはほとんどこのようなものだが、アイヌの人たちが木彫りの船を思い付いたというような立派な食痕を、ここでも見られたら良いのだけれど・・・(まったく見られないというわけではないが、見られる場所はとても少ない)
今日の生き物
植物
ミツバウツギ・シオデ・カンボク・ヤチダモ・ハウチワカエデ・アズキナシ(以上種子・果実)
鳥類
ヒヨドリ・ハシブトガラス・ヒガラ・コゲラ・ゴジュウカラ
その他
ホンドテン・キタキツネ・ネズミ類の複数種、イタチ類の一種?(哺乳類・痕跡)、ユキクロカワゲラ属の複数種(襀翅目)、クモガタガガンボの一種(双翅目)
参考文献
門崎充昭,1996.野生動物痕跡学事典.北海道出版企画センター,札幌.303pp.
小宮輝之,2002.フィールドベスト図鑑12 日本の哺乳類.学習研究社,東京.256pp.
by tsuchihashia
| 2010-01-13 23:23
| 土橋自然観察教育林